先日、同じクラスの腐れ縁友Tから電話がかかってきた。電話に出ると、いつも感情を口調から感じることの少ないTにしては珍しく、やたらと嬉しそうな上機嫌の声だった。これは何かあったなぁと思い、時期的なことを考えて予測したが、Tはやはりその予測通りのことを答えた。
「実は内定が決まってさ(笑)」
天邪鬼と自分でもよく思うし変人だし冷たい男だとも思う私ではあるが、このときは素直に「おめでとう」という気分になった。人間、たまには優しい一面も出さなければバランスが悪くなるものである。
Tの話を聞いていると、どうやらそこは第一希望ではないらしく、第一希望のほうは現在結果待ち、とのことだった。しかし諸々の事情と、加えて初めての内定という状況からか、そっちに気持ちが動きはじめているらしい。まぁよく考えて決めろよ、とだけ答えておいて電話を切った。
それからふと思い出して、メーラーを起動する。その日は面接を受けた某社からメールが届く予定日だったのだ。時間は夕刻。そろそろ届いていてもいいだろうとメーラーを起動すると受信メール数が200件を超える。そういえばここ最近、ずっと起動してなかったなぁと後悔しながら、数々の広告メールを削除していく。全く、どうしてこうも多いのだろうかと溜め息をつくが、文句を言っていても仕方ない。
必要なメールとそうでないメールとの仕分けが終わる。残ったほうのメールは僅かに数件。だがその中に、某社からのメールは無い。念のため削除したメールをもう一度確認してみるが、やはり見当たらない。
落ちたか。
面接の時点で失敗したので、「あ、これは駄目だな」とは思っていたがやはり実際に落ちてみると小さくショックを受けるものだ。まぁいいか、と適当に流すが、心に突き刺さった小さなトゲがしばらく痛かった。
夕食時に親に「落ちた」と一言だけ報告。
「あっそ」
とは姉の言葉。姉さんには言ってません。
「残念だったね」
とは母の言葉。出来ればTVではなく私の顔を見て言って欲しかった。
「まだ次があるさ、がんばれよ」
とは次の日のTの言葉。そんなありきたりな言葉はいらん。
「(^Д^)9m プギャーwwwwww」
とはメッセでのK(kazu○氏とは別人)の言葉。あぁありがとう、そういう反応が欲しかった。
明日もまた一社、最終面接がある。
この間の最終面接での失敗を繰り返さないよう、注意して挑もうと思う。そう思いながら天気予報を確認、明日は雨らしい。神様これは何かの暗示デスカ?