人気ブログランキング | 話題のタグを見る

(自称)落下王はいつも落ちてた追憶


究極生命体カーズ

 JOJO二部ネタ。











 ジョジョ二部の最後の敵であるカーズ。
 エシディシとワムウを打ち破ったジョジョ一行の前に立ちはだかったその男は、なんと1対1で決闘を行うという約束を破りリサリサを強襲、エイジャの赤石を奪い取った。そして配下の吸血鬼たちに、残ったジョセフを始末するようにと命令を下した――。

 とまぁこんな流れのせいもあってか、ジョジョ二部の感想が書いてあるサイトを見てみると、
「カーズ卑怯」
「見損なったぞカーズ」
「そりゃねぇだろカーズ」
「途中まではワムウとかみたいにいいやつだと思っていたのに……」
 といった感想が目立つ。まぁ確かに、卑怯な戦法だしね、奇襲なんて。
 でも私は、戦法は卑怯だなとは思うが、カーズ自体は別に卑怯だなんてことは微塵も思っていない。

 まず、多くの人がカーズが「意外と良い奴」と思った根拠として挙げられるのは、エシディシを倒されたことによるジョセフへの恨みから取れる仲間思いの精神、路頭に迷う子犬を救ったり花を踏まないようにするために落下する方向を凄い勢いで変えたりと意外と優しい一面、ワムウ決闘時のワムウを心配する態度などのシーンだろう。確かにこれを見て、カーズいいやつだなと私も思った。
 そしてその多くの読者の気持ちを裏切ったのが、リサリサに自分の影武者と戦わせ、隙をついて強襲したシーンと、その台詞。
「フン! くだらんなぁ~~1対1の決闘なんてなぁ~~~~~~っ」
「このカーズの目的はあくまでも赤石! あくまでも究極生物になること!!」
「ワムウのような戦士になるつもりもなければロマンチストでもない……どんな手を使おうが…………最終的に…」
「勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」
 この流れだ。このシーンだけを見れば確かに、カーズはすごく卑怯な奴に見えるかもしれない。
 けれど、私はそう思わない。


 まず、カーズの立場で考えてみよう。ただし前提として、カーズは根は優しい子(何)ということにしておく。
 既に1万年も時を共に過ごしたエシディシとワムウを倒され、かなり怒り狂っていることだろう。何がなんでも赤石を手に入れればならない、そうしなければ死んだ二人に報いることができないと、そう考えているだろう。
 そこで取った戦法は騙まし討ちという卑怯な方法。結果として赤石を手に入れることは出来たが、多くのファンとジョセフからの反感を買った。
 けれどよく考えてみれば、戦法は卑怯だがその作戦を取ったことはなんら卑怯ではない。卑怯というよりも「策」の範疇内ではないか、と私は考える。そもそもこの騙まし討ちをするためには、リサリサが赤石を持っていなければならないという前提条件がある。リサリサは決闘時に、この決闘の要である赤石をジョセフに持たせず自分で持っていったのだ。カーズとしては、これは赤石を手に入れる絶好のチャンスである。
 そこでカーズは思う。何がなんでも赤石を手に入れなければ……。『死んだ二人のためにも、目的を達成しなくては!』
 ――結果、カーズは赤石を奪い取ることに成功した。


 ジョジョ一行の立場で考えてみよう。この決闘はエイジャの赤石を賭した、最後の決戦。決して負けることの許されない戦いだ。だからリサリサもピンチに陥った際に、赤石を人質にとってまで、自分達が負けることを回避した。
 ジョセフとワムウの勝負が終わり、カーズとリサリサが戦う時。リサリサはジョセフに赤石を預けなかった。その結果、カーズから騙まし討ちを受けてしまい、赤石は奪い取られてしまった。




 さてさて。ここまで書いて、私はこの決闘の敗因は、カーズの卑怯な戦法にあるというよりも、一方的にジョジョ一行にあるのではないか、と思っている。
 まず第一に、「リサリサがジョセフに赤石を預けなかったこと」だ。
 大事な大事な、この決闘の要である赤石を、よりにもよって敵と1対1の二人きりになる場所へと持っていったのだ。仮にカーズが卑怯な手を使わなかったとしても、だ。リサリサが試合に勝っても不意をついてカーズが赤石を奪えば、勝負はカーズの勝ちになる。試合に勝って勝負に負けた、とはまさにこのこと。そんな危険があるのにリサリサはジョセフに石を預けなかった。……カーズにその点を利用されても、文句は言えないんじゃないのか。
 第二に「カーズの目標を忘れていたこと」だ。
 何度も書いている通り、あくまでカーズの目的は赤石を手に入れ究極生物になること。決闘はジョジョ一行が赤石を手にしているから仕方なく行っているだけで、決闘に勝つこと自体は目的のための手段であり、カーズの最終目標では決してない。ジョジョ一行はそこのところを入れ違えてしまったのではないか、と思う。
 最後に「カーズは仲間を全員殺されて相当に苛立っているということを忘れていたということ」だ。
 12巻の中ではほとんど書かれていないが、カーズはワムウとエシディシを倒されたことで相当に苛立っていたはず。何せ本当は「根は優しい子」なんだから、仲間思いなカーズが仲間を殺されて怒らないわけがない。この時点で、カーズが決闘において”何かしかけてくるのではないか”ということを、ジョジョ一行は警戒するべきだったのだ。それを怠ったために赤石をジョセフに預けず、結果として奪われてしまった。


 全項目で共通することは、油断が生じ、赤石をジョセフに預けなかったことが敗因だという点に繋がる。
 もし赤石をジョセフに預けていたなら、カーズは卑怯な戦法を取らなかったかもしれない。そこまでするメリットが薄く、同時にデメリットが大きいからだ。(リサリサを騙まし討ちで殺した後、ジョジョが赤石を砕いてしまっては元も子もないから)
 またもし、ジョジョが赤石を破壊しなかったとしても、一度カーズの騙まし討ちを見たジョジョは相当に警戒するはずだ。そうなればカーズとてジョジョに手を出しにくくなる。他の吸血鬼どもは赤石のことがあってカーズに参戦することはできない。構図としては1対1になるわけだ。

 結論。油断したジョジョ一行が悪い。




 子犬を助けたり、花を踏むことを嫌ったり。生物の頂点に立つ種族だからこそ見せる、多種族への優しさ。それは人間が小動物や植物に対する行動となんらかわりはない。
 逆に、人への残忍さ。それは人間がカーズ一族にとっての「食事」である以上、人間が食物として他の動物を殺すのと変わりはない。
 動物が人間に歯向かえば、人間はその動物を駆除する。カーズ達だってそれは同じだ。ましてや天敵の波紋一族とあっては、どんな手を使ってでも排除するだろう。その行動もまた、我々人間と同じなのである。
 以上をもって、私がカーズを卑怯な人物ではないと思っていると証する弁論を終了させていただく。










 途中、何度か自分で書いたことへの反論も浮かんでるけどキニシナイ。
 無理やりなとことか、穴とかありまくりなのは承知です。でも今更書き直すのもメ論を練り直すのもンドイので。(駄
by zonru | 2005-10-06 22:24

<< 思ひ出ぽろぽろ      内容と関係ないけどジョジョ二部... >>

墓標
by zonru
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事
MoEサイトLinkとか
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧